#65 Guest:渋谷慶一郎(中編) 初音ミク、杉本博司、藤原栄善……渋谷の記憶に刻みついたコラボレーションとその裏側

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前編に続く中編のテーマは、「渋谷慶一郎の記憶に刻みついた印象的なコラボレーション」。音楽ライター・翻訳家の石川真男氏をゲストMCに迎え、これまで渋谷が手がけてきた先鋭的かつ意欲的なコラボレーションワークの数々に触れていきます。
同テーマについて、渋谷が特に印象的だったコラボレーションとして挙げたのは、初音ミクを用いたことで世界的に話題となった『THE END』、現代美術作家の杉本博司とのコラボ作『ETRANSIENT』、そして高野山真言宗 鷲林寺の住職、藤原栄善とのコラボレーションライブ『Heavy Requiem』の3つ。
発表当時、日本のみならず世界でも話題となった初音ミク『THE END』については、東浩紀との『イニシエーション』と東日本大震災の影響もあったという。特に興味深いのは、それまでボーカロイドに触れてなかった渋谷がなぜ急に初音ミクを用いることになったのか、そして2011年〜2012年当時、渋谷が初音ミクにどのような印象を持っていたのかも明かされます。現在まで続く音楽家としての活動スタイルの礎になったとも言える『THE END』が、いかにして創造されていったのかは必聴です。
続く杉本博司とのエピソードでは、杉本との出会いに始まり、活動のフィールドは違えどどのような部分に共鳴したのかを熱く語っています。杉本がパリのパレ・ド・トーキョーで開催した展覧会のタイトル(「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」)について、これがアルベール・カミュの小説『異邦人』の書き出しをもじったものであることから、文化に対する挑発の重要性を説いています。
藤原栄善と共演した『Heavy Requiem』でのトークでは、声明と西洋音楽が一つとなった際の手応えを始め、藤原に帯同して出演したロサンゼルスでの宗教イベントでの体験、オーストリアのリンツで開催された祭典『アルスエレクトロニカ・フェスティバル』で行った教会でのパフォーマンス、この時のステージで起こった”鐘の音”に関する思わぬ発見など、スピリチュアルな内容にも注目です。
最後には、渋谷がこの8月に開催する新作オペラ『Super Angels』にも影響を与えた意外なアーティストの名前も。後編へ続く流れも生まれた、一秒たりとも聞き逃せない回となりました。
MC:imdkm、姫乃たま(休養中)
ゲストMC:石川真男(音楽ライター・翻訳家)
〈Source〉
Keiichiro Shibuya 渋谷慶一郎+初音ミク 『ATAK 020 THE END』(https://open.spotify.com/album/4g9LppWLvmEYIOutQfNuuK)、keiichiro shibuya『ATAK018 Soundtrack for Memories of Origin Hiroshi Sugimoto』(https://open.spotify.com/album/0PpGuoYNx8vqCD04CA3ngX)、Heavy Requiem – Buddhist Chant “Shomyo” + Electronics(http://atak.jp/ja/theater/heavy-requiem/)

#65 Guest:渋谷慶一郎(中編) 初音ミク、杉本博司、藤原栄善……渋谷の記憶に刻みついたコラボレーションとその裏側

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