前を否定しない簾ノベーション(1114回)
野村萬斎さんの言葉に考えさせられました
"日本というのはどういうわけか前を否定しないんだね〜
だから1000年から続く雅楽もいまだにあるし、700年続く能・狂言もある。400年から続く歌舞伎・文楽もある。宝塚も100年くらい続いてるかな
ま、そういうふうにね、前を否定しないで、簾のようにしかも続いているのが日本文化の特徴です"
ここから私は思いました
1、noと言わない日本の良さ
アウフヘーベン
2、もったいない文化
サーキュレーション
3、和える文化
イノベーション
ずいぶん前ですが、noと言えない日本人、という話が言われていた時期があったかと思いますが、それには、良い面と悪い面両方があるのかもしれないなと思いました
これは言ってみれば、ヘーゲルの弁証法における、対立する両方を否定せずに第3の道を探る、ということにも繋がるのかもしれないなと
前にあるモノを否定しないからこそ、それが形を変えながら残されていく、そう言ったものが日本にはたくさんあるということは、素敵なことなのではないかとも思いました
そして、もったいない文化も、日本から世界へ発信するお話もたくさんありますが、これも使ってしまったモノを否定せずに、再度光を当てるという意味においては
サーキュレーション・エコノミーにも通じる考え方なのかと思いました。戦後のもののない時だけに限らず、今の時代だからこそ、すでにあるものを否定せずにどう活かすかを考えていく
これも日本の培ってきた遺伝子なのではないかとも思いました
さらには、日本は、和の文化を重んじる、などと言われることもありますが、これは、英語で言えばハーモニーとなり、さまざまな異分子を否定せずに調和を成すようにしていく
ということも日本の中にはある気がしました。それは、シュンペーターさんが言われるところの、既存の知と既存の知を掛け合わせると新しい知が生まれる
そのことに伝わる日本の考え方なのかと思います。これによって、実は日本には、イノベーションや、ひいてはオープンイノベーションの文化的資質も
昔の遺伝子から実は面々と続いているのだ、ということも言える気がしました
そう考えると、前を否定しない簾のような日本の文化には
アウフヘーベンや、サーキュレーションエコノミー、イノベーション、オープンイノベーションの素養が遺伝子として備わっているのだと
とっても勇気をいただけるお話だったなと思いました
前を否定せずに簾のように繋げていく
前を否定しない簾ノベーション
これこそが日本の文化の特徴なのだなと
そんな話をしています^ ^
参考:NHKアカデミア 野村萬斎 現代に生かす狂言の技と心(後編)初回放送日:2024年4月10日
https://www.nhk.jp/p/ts/XW1RWRY45R/episode/te/X6V9VN88Q3/
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/kVFIpN-Indc
前を否定しない簾ノベーション(1114回)