腐るお金ノベーション(1059回)
ドイツの実業家、思想家のシルビオ・ゲゼルさんの考案した、腐るお金「自由貨幣」の考え方に目から鱗が落ちる思いでした
曰く
"お金を交換の媒体としてより有効活用したいのであれば、お金を商品とみなしその価値を下げるべきだ"
"たとえば100ドルの価値の自由貨幣があるとする。その裏には、日付のついた52個のマス目がある。自由貨幣の持ち主は、100ドルの価値を保つために毎週10セントのスタンプをそのマス目に押していかなければならない。"
"自由貨幣の価値を1年間にわたって100ドルに保つためには、貨幣の裏に52個の、つまり5ドル20セント分のスタンプを貯める必要がある。こうして100ドルの自由貨幣は、持ち主が自腹を切って5.2%価値が下がることになる"
ここから私は思いました
1、そもそもの問いの大切さ
2、逆転の発想で全てを変える
3、別領域への展開可能性
この考えは、"ヴェルグルの奇跡"として実際に成功した事例もあるとのことに、ひっくり返るほど仰天でした。
この発想は、お金そのものに対する、そもそもの疑問を投げかけられるかどうか、という、そもそも問い、の大切さについても考えさせられました
物々交換でモノが腐るのが大変だから、お金が生まれたんだよと、ああなるほど、で終わってしまったら、思考停止なのだなと
確かに便利になった点もあるけど、それによって起きてる大変なこともあるよねと、だったらその大変さを払拭するお金ってないのかな
といったことまでしつこく、ドチテ坊やのように問えるのかそれを逆に問われてる気がしました
そして、そのために、今は当たり前に行われている、利息の考え方を、逆に価値が減っていくとしたら、どんな世界ができるんだろうという、逆転の発想をやってみるというも大切かと
逆転の発想は、ある事柄のカテゴライズの両極端を2軸とって、その対角線を描くということで、ある意味システマティックにもできるので
お金でさえもひっくり返せるのであれば、他の当たり前のことをみんなで逆転発想アイディエーションしてみるというのもいあかもしれないなと思いました
そして根本を変えるイノベーションは、それひとつによって、様々なルールを一気に変える力があるということかと思いました
その代わり、とてつもない、反対勢力に会うことが、確実にあるということも、よくわかります
自由貨幣は、こういったやり方で、他の領域にもまさに抽象化して展開していくことができる、素晴らしい考え方だと思いました
例えば、労働市場の流動化も、いま叫ばれているので、お金が腐るのと同じように、就労した時間で価値が上がっていく世界もひっくり返したらどう足るのだろうと
そしたら、長く勤めたら損になるので、どんどんみんな他の会社で働きに行きたくなるだろうなと
会社は今までの仕組みではめちゃくちゃ困るかもしれないけど、社会としては一気に流動する世界を作ることができるかもしれない
そうしたら、会社に縛られない、自分で価値を作る人間にならないとという人たちも増えるかもしれない
そんな展開もあるかもしれないし、他の分野にも展開できるかもしれない
凄いイノベーションは、他の分野にもどんどん侵食していくこともできるのかもなあと
そんなことを思いました
そんな話をしています^ ^
参考: COURRIER JAPON 2024.1.22「未来の社会はマルクスよりゲゼルから学ぶだろう」100年前に“素人”経済学者が提案した「腐る貨幣」が再注目されているhttps://courrier.jp/news/archives/350512/
腐るお金ノベーション(1059回)