#80 お祭りとクリスマスと社会/大貫妙子さんについて/アイアムサム

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大貫妙子の詞について、イベントの中で本人の談を交えつつだったのでそれはもう感じることが多かったわけですが、その中で一つ、これは芯をついているかもしれないと思ったこと。大貫さんが、美しかった瞬間や失われてしまった過去のことを、寧ろこれからの未来と同時にあるかのように、直線的な時間軸からふわりと遊離して遠くから、真っ直ぐに、語るように、歌い上げるからこそ、学生運動や四畳半フォークの悲哀みたいな「時代を真空パックする」音楽ではなく、いつまでも響く普遍的な音楽になっているのだ、というもの。そしてそれが、ヨーロッパへの憧憬や幻想を伴うようなサウンドに乗ることで、ここでないどこかへと確かに僕らを導いてくれる。華やかな、イメージの偽装の裏にある世界は、実はめちゃめちゃに美しいんじゃないかと希望を持たせてくれる。坂本龍一のシンセサイザーは80年代的で、否応なく時代を意識させられるものではあるけど、決して懐メロをきく耳にならないのは、次の(未来の)音楽を産み出そうとしていた坂本さんと、過去と未来が同時にあるような大貫さんの、奇跡的なアンサンブルが響き合っているからな気がします。

放送曲:Ashtrey/jin yamaguchi

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