#32 David Bowieがこの地上にもたらしたもの/リフから辿るロック

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Life on Marsの大胆なメロとMVの異世界さに度肝を抜かれ、疲れたバイト帰りにHeroesを聴いて涙し、All the Young Dudesの下降していくルートの上のメロディに心震わせ、などとしていたらいつの間にか死後6年が経とうとしています。派手で、宇宙的な音楽を生み出しつつもどこか、澄んだ湖のほとりの林の中にある白い灌木のような落ち着いた佇まいをしているデヴィッドボウイは、僕ら皆を地球に残してどこか遠くへ飛び去ってしまったのです。或いはそもそも偶然に『地球に落ちてきた男』だったのか。『戦場のメリークリスマス』の大島渚監督はボウイについて訊かれ、「天使。完全に天使。周り中が幸せになる。仕事だってことも忘れちゃう。」と話していたそう。僕もそう思います、監督。でもそれと同時に、『デヴィッドボウイ最後の5年間』というドキュメンタリーの中で、死を目前に控えたボウイが「死ぬのが怖い」と言っている姿。これもまた本当なんだと思う。先行し拡散し消費され尽くしたアイコニックなイメージの核にある、ひ弱で孤独な彼。そんなボウイの全てが産み出す音楽が僕は大好きです。

放送曲:Feelin'(demo)/keichi kumagai feat.jin yamaguchi on Guitar

#32 David Bowieがこの地上にもたらしたもの/リフから辿るロック

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#32 David Bowieがこの地上にもたらしたもの/リフから辿るロック
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