”黄色い家”ノベーション(1124回)

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ブランチbook大賞2023の川上未映子さん著の"黄色い家"から、衝撃を受けました

主人公の少女の言葉曰く
"つまり今日を生きて明日もそのつづきを生きることのできる人たちは、どうやって生活しているのだろう。

そういう人たちがまともな仕事についてまともな金を稼いでいることは知っている。

でもわたしがわからなかったのはその人たちがいったいどうやって、そのまともな世界でまともに生きていく資格のようなものを手に入れたのかということだった"

ここから私は思いました

2、ユクスキュルさんの環世界
1、それぞれの正義
3、ローティさんの感情教育

"十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める"というところから始まる物語ですが

虫や木々とは全く違う世界を生きているというユクスキュルさんの環世界の話がありますが、それどころか同じ人間、同じ日本の中でも、全然違う世界の見え方をしている、ということに大きな衝撃を受けました

そしてその自分の生きる環世界においては、レミゼや進撃の巨人のように、自分の正義を貫きながら、真摯に生きようとしている人がいて、それが別の環世界からは、全く同じようには見えないということがあるということを改めて教えて頂きました

それを環世界に生きる私は、別の環世界を生きる人たちが実は身近にもいるというこたを知る必要があって、それを当事者の感情と共に分からせてくれたのは

ローティさんが言われるところの、感情教育として、小説を媒介として、知らない環世界のことをありありと表現して頂いた、作者の川上さんなのであると思いました

物語の少女のお話は、ある意味、ニュースなどで断片だけを見知っている私にとっては、普段は見えててもみようとしない、タブーやサンクチュアリなことに、真っ直ぐに問いを投げかけ、あからさまにしていただいたこの小説は、本当にイノベーティブだなあと思いました

黄色い家を思い出すことで

自分が見えてない、またはみようとしていない、環世界に気づかせてくれる

昨日のお話でもありましたが、それを、まずは知ろうとすること、そうすると好きになる、そして好きになって欲しくなる

このループを回すことで、わかりあうことがとっても大切なことなのかも知れないと、思わせて頂きました

黄色い家ノベーション

そんな話をしています^ ^

参考:本: 黄色い家  2023年2月20日 発行 著者:川上 未映子 発行所:中央公論新社

”黄色い家”ノベーション(1124回)

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