EP#58 送り仮名の付け方は、思いのほか複雑で難しい。でも実用ではさほど悩まない不思議な世界なのです。

リリース日:

送り仮名の付け方をしっかり説明するのは、本当に難しい。活用する語については「活用する部分(活用語尾)を送る」という原則はあります。

「書く」という五段動詞なら。未然・連用・終止・連体・仮定・命令の形で活用する語尾は、「か/こ・き/い・く・く・け・け」となります。つまり送り仮名は、ここから送るということです。
これは、上一段動詞の「生きる」でも同様で、「き・き・きる・きる・きれ・きろ/きよ」。下一段動詞の「越える」なら「え・え・える・える・えれ・えろ/えよ」となります。

ところが、例外があります。「語幹」が「し」で終わる形容詞「著しい」などは「し」から送るのです。「著い」ではありません。

「か」「やか」「らか」が、活用語尾の前にある場合は、その音節から送ります。「暖かだ」「穏やかだ」「柔らかだ」という具合です。

個別に決まった送り仮名も33語あります。「明らむ」「明るい」「脅(おど)かす」「脅(おびや)かす」などです。

さらに、許容があります。「表す」「現す」は「表わす」「現わす」でもいいのです。「行う」も「行なう」としてもいいことになっています。「行った」だと「おこなった」か「いった」かが、わかりづらいので、「おこなった」という場合は「行なった」とするという著者もいます。

ここに挙げたのは、送り仮名の一部です。全てを理解するのは、なかなか難しい。でも、実用ではほとんど困らない、という不思議な世界なのです。

……………………………………………………………………………………

「ことばランド」では、取り上げてほしい「ことばの疑問」や感想をお待ちしています。お便りフォームからお願いします。
↓ ↓ ↓
https://forms.gle/v4CNrTaroSPYuMgj6


未來交創(前田安正)HP
https://kotoba-design.jp/


江川みどりHP
https://www.midori-egawa.com/

EP#58 送り仮名の付け方は、思いのほか複雑で難しい。でも実用ではさほど悩まない不思議な世界なのです。

タイトル
EP#58 送り仮名の付け方は、思いのほか複雑で難しい。でも実用ではさほど悩まない不思議な世界なのです。
Copyright
リリース日

flashback