EP#98 怒られた、ふられた、食べられた・・・こんな受け身の表現をやめれば、心は自由になる!

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新入社員研修などが始まっているんでしょうか。そのうち上司に注意されたりするでしょ。その時の対処法をことばの観点からお伝えしようと思います。

次の例をちょっと見てください。
1)「僕のお弁当を友達に食べられた」
2)「僕のお弁当を友達が食べた」
この違い、わかりますか?

1が「食べられた」だから受動態、受け身の言い方です。2は「食べた」だから能動態です。言い方の違いが精神的に大きな違いを生むんです。
それは、受け身だと被害者意識が生まれると言うことです。「僕の大切なお弁当を、友達に食べられたなんて。腹が立つ!」っていう感じになるでしょ。
「僕のお弁当を友達が食べた」だと、フラットな感じになります。「仕方ないなあ」という許容が生まれます。受け身の被害者意識が、意外に自分を追い詰めてしまうんです。
普通「上司に怒られた」って言いますよね。この時点で、上司と自分に精神的な序列をつくっているんです。納得がいかないと「なんで私が・・・」って思い出して、夜も寝られなくなる。その結果、お酒や甘いものに走って、体がどんどん大きくなってしまうんです。

「彼女に振られた」「彼氏に振られた」も同様です。こういった途端「私の何がわるかったのか」と、自分に落ち度があるかのような感覚に陥る。失恋のほとんどはこういう被害者感情が根っこにあるんです。

これを受け身の表現ではなく能動態に変えるんです。「上司が私を怒った」「彼女が僕を振った」「彼氏が私を振った」と言い変えると、精神的にゆとりが生まれます。
「上司が、何だかわからないことを言って怒ってる」「上司が怒ってる、だから何だって言うんだ?」みたいな感覚になるでしょ。「彼女が僕を振った。僕の良さがわからないんじゃ仕方ないか」「彼氏が私を振るなんて、残念なヤツだなあ」って感じに、スルーできるようになるんです。
若い頃は、僕もよく怒られたけれど、心の中では「何を怒ってんだろうね。どうせ、そのうち異動でいなくなるし」と思っていました。

これを、ノートでも手帳でもいいから、能動態で書きとめておきます。そして、そのうえにバッテン付ける。一種の魔封じです。結構精神的に楽になります。

反省の材料だけ取り込めばいいんだから、怒られる筋合いじゃないんです。怒る人は怒っている自分に興奮しているだけだから。それと同じ土俵に乗る必要はないからね。

ことばは上手に使わないとダメなんです。そのためにもことばの勉強をして、受動態の役割などを知っておくと引き出しが増える、ということです。受け身表現で被害者感情をつくり出す必要はないからね。

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