Yoga Sutra of Patanjali 1.25 | Īśvara 生命の根源とヨガの宇宙観

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パタンジャリのヨガスートラ第2章で、八支則の第2項目二ヤマのひとつとして挙げられるイーシュヴァラ・プラ二ダーナ。

他の二ヤマ同様、私たちが見ている現実や信念によってさまざまに解釈されます。第1章では、イーシュヴァラの定義を通して、ヨガにおける宇宙観を垣間見ることができます。
第1章で、深い瞑想へと至るもうひとつの方法として紹介されるイーシュヴァラ・プラ二ダーナ。前回ご紹介した1章24節では、Īśvaraは一切のKarmaと無縁の存在だということが明らかになりました。つまり、私たち人間はĪśvaraの質を養うことはできても、Īśvaraとはイコールではないという現実があります。きょうご紹介する25節では、この点がもう少し詳しく述べられます。まずスートラを音読するところから始めていきましょう。
25. Tatra niratiśayaṃ sarvajñabījam.
tatra: in that これにおいて(イーシュヴァラ)
niratiśayaṃ:incomparable 比較できないほど
sarvajña:all knowledge 全能の
bījam:source 種・根源
イーシュヴァラは、知の根源を内包する全知全能の存在です。
そのような意味を持つスートラです。
「イーシュヴァラ」と聞いて何を心に描くかは人それぞれです。ですが、たとえばPurushaが意識の根源であるならば、Isvaraは生命の根源。同じ根源であっても、Isvaraは生命を生み出し維持する存在でありながら、生まれた生命の影響を受けることがありません。
私たちは命をつなぎ、また生命を深く理解することができるけれど、宇宙をゼロからつくることはできない、人は生命の根源とつながることはできても、根源そのものではないという宇宙観です。というのも、人には個々の意識があり、その意識に映し出されるものを見ている存在でいることはできるし、その意識を純粋に保つ努力をすることもできる。それと同時に有限である命を「体験」をしている存在だからです。
世界はどこから生まれ、私はどこから来たのか。そのようなヨガの世界観、宇宙観が垣間見られるスートラがもうすこし続きます。

Yoga Sutra of Patanjali 1.25 | Īśvara 生命の根源とヨガの宇宙観

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Yoga Sutra of Patanjali 1.25 | Īśvara 生命の根源とヨガの宇宙観
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