EP#57 「生き作り」VS.「生け作り」。「いけ」と「いき」、これって何がどう違うの?

リリース日:

お魚料理を食べにいくと、「生き作り」「活き作り」「生け作り」「活け作り」おまけに「活き造り」「活け造り」なんていう様々な書き方の看板やメニューを見かけます。
日本語表記って、自由ですよねえ。

じつは常用漢字表では、「活」には「い(きる)」「い(ける)」という読みありません。「カツ」だけなのです。ですから「生き作り」「生け作り」と書くのが基本の表記となります。

次に「いきづくり」か「いけづくり」か、という問題です。
「花を生ける」「生け簀」「生け捕り」「生け垣」とは言いますが、「花を生きる」「生き簀」「生き捕り」「生き垣」とは言いません。
「生ける」には「生かしておく」という意味があるからです。

ところが「生ける」より「生きる」の方が馴染みがあるからなのか、なぜか「生き作り」だけは、「生け作り」と共存しているのです。

文科省もかつて『「異字同訓」の漢字の使い分け』で「生け作り」を載せていましたが、2014年の改定版『「異字同訓」の漢字の使い分け例』では、「生き作り」が多くなった状況を踏まえて、「生け作り」の用例を外しています。

これは、ことばの動きに対応したものと言える例です。

……………………………………………………………………………………

「ことばランド」では、取り上げてほしい「ことばの疑問」や感想をお待ちしています。お便りフォームからお願いします。
↓ ↓ ↓
https://forms.gle/v4CNrTaroSPYuMgj6


未來交創(前田安正)HP
https://kotoba-design.jp/


江川みどりHP
https://www.midori-egawa.com/

EP#57 「生き作り」VS.「生け作り」。「いけ」と「いき」、これって何がどう違うの?

タイトル
EP#57 「生き作り」VS.「生け作り」。「いけ」と「いき」、これって何がどう違うの?
Copyright
リリース日

flashback