【A004】現代とマルクス

リリース日:

【A004】現代とマルクス 時間:137分 音質:2 ジャンル:思想 講演日時:1967年10月12日 主催:中央大学 学生会館 場所:中央大学 学生会館 602号室 収載書誌:徳間書店『情況への発言』(1968年) 音源について 中央大学の学生会館による 自主講座として開かれた講演。 原題は「現代とマルクス主義」。 ところどころにノイズが入り、 聞き取りづらい個所がある。 途中で音声が遠くなる部分は 吉本隆明が黒板を使用している。 講演より 私がマルクスにおいてもっとも衝撃を受けたのは、 国家哲学なんです。われわれは戦争体験から、 市民社会における個人や家族よりも、 国家に重点がかけられるべきだという出発点を 持っていたわけです。しかしその国家が本当は 共同性を装った幻想に過ぎないというマルクスの考えに 衝撃を受けたんです。 マルクスの〈疎外論〉は、 幻想性の問題──国家、法律、宗教、それから芸術という 問題を考察する根底になるとても重要な概念です。 人間というものは、他の人間、あるいは自然に対する、 対象的な行為なしには存在しえません。 ところで人間が生存、存在の必須条件である 対象的な行為をしますと、自己自身がそれにつれて 本来的な自己から疎外される、 つまり自分自身も影響を受けます。 あるいは影響を受けることなしには 対象的な行為というのはなしえないというのが、 マルクスの考えている〈疎外論〉の 根底にある自然哲学です。

【A004】現代とマルクス

タイトル
【A004】現代とマルクス
Copyright
リリース日

flashback