「自己言及的存在論講義」第二回 「堕落」とカント

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前回は方法と課題について大雑把な話をしました。方法は外部性という存在の仕方で、通常のあり方の外という意味ですが、それはまたそこで哲学的生成が行われるあり方でもあります。今回は、この観点から方法についての続きを話します。
また、課題については、前回、認識者の自己認識から始めたといいましたが、外部化したからといって、いきなりこの課題に直面したわけではありません。この課題に到達するまでの歩みがありました。簡単にいうと、はじめカントを学び、そこから或る課題を引きうけ、次にマルクスを学び、また別の課題を受け取り、さらにハイデガーに学び、自分自身の課題を引き出すという歩みでした。彼らとの関係の中で引き受けた諸課題は、自己言及的存在論のなかに流れ込み、それぞれに回答が与えられています。そこで、どういう課題が引き受けられ、またどういう回答が与えられているのか、その要旨を、カント・マルクス・ハイデガーと題して、何回かに分けてお話しすることにします。今回は「「堕落」とカント」という題でお話しします。

塚原誠司 1944年東京生まれ。1967年、早稲田大学文学部西洋哲学科卒業。労働運動系広報誌の編集者、塾講師、警備員などをやりながら哲学を探求してきた。

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