#417 話題の「線虫がん検査」、2重の問題をわかりやすく解説!

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オープニングトーク:工事の音が入り込み……山田先生のギャグも?
メイントーク(8:50〜):「線虫がん検査」は受けない、勧めない。

①「線虫がん検査」には2重の問題がある
1:検査の精度 2:「スクリーニング検査」としての有効性
②「スクリーニング検査」の目的は、「偽陰性」を減らすこと。つまり、「見逃し」を減らしたい。
・検査の「感度」とは?→ 既にがんがあるとわかっている人たちにこの検査をして、陽性と出る確率が高いと、「この検査の感度が高い」と言える。
・私たちが検査を受ける時は、逆の手順。わからないから検査を受ける。← この点を理解することが大事!
・もし「30代で症状がなく家族にもがんの人がいなくてがんの確率が低い人」が「感度の高い検査」を受けたら……何が問題なの? 
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【説明のための仮・前提条件】
10万人のうち100人に、「がん」の人がいたとする。
その10万人全員が、「99パーセントは陽性と出る感度の高い検査」を受けたら、
100人のうちの99パーセント、つまり99人が検査の恩恵を受ける。
一方で、がんのない10万の人が、がんの検査を受けている、ということは……?
【デメリットを数字で考えてみよう】
「99パーセントは陽性と出る感度の高い検査、かつ、特異度が90%の検査」だとすると、10万人のうち1万人は、がんがないのに「陽性」と出てしまう。
つまりこの検査で、合計1万99人が「陽性」、つまり本当にがんだった人を除いた、1万人の「偽陽性者」が出る。
「偽陽性者」、つまり健康な1万人に対しても、15種類のがんの可能性があると言われてしまう。
そのうち5000人くらいは追加の検査、PETで陰性でも、その次に胃カメラ、大腸カメラ、を意味もなく受け続けることになってしまう場合もある。
→ この検査、99人を助けたかもしれないけど、10万人にいいことしたの? という視点が大切。
→ 15種類のがん、全部の可能性がわかるのは良いことに聞こえるかもしれないけど、逆に不安の種が増えるのでは?
・「事前確率」という概念→ だから厚生労働省で検査が推奨されているがん検診は、年齢で区切られている!
・「命を助ける効果のある検査」とは?
・下流で起こる実害とは? 「尿一滴を出すこと」自体には、そんなにデメリットはないけれど……?
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今日の持ち帰りポイント
「新しく、わかりやすいCMや広告には疑いを持ちにくいけれど……」
「命に関わる医療に関する検査・サービスは電化製品と同じに考えてはいけない」

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