ソーシャルベンチャーが成長するための鍵とボトルネックとは

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G1サミット2024 第4部分科会E
「ソーシャルベンチャーを大きく育てるには」安部敏樹×階猛×田口一成×米良はるか×髙島宗一郎
(2024年2月23日開催/沖縄万国津梁館)

近年、社会課題解決に資するスタートアップに投資するインパクト投資が急激に拡大しているが、ビジネスとして社会課題の解決に取り組むソーシャルベンチャーを大きく、数多く育てる生態系をつくるには何が必要なのか。その戦略を議論する。(肩書きは2024年2月23日登壇当時のもの)

安部 敏樹(株式会社Ridilover 代表取締役/一般社団法人リディラバ 代表理事)
階 猛(衆議院議員 立憲民主党『次の内閣』財務金融大臣)
田口 一成(株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長)
米良 はるか(READYFOR株式会社 代表取締役CEO)
髙島 宗一郎(福岡市長)

00:00 オープニング
01:06 ソーシャルベンチャーの現状の目線合わせ(米良氏)
-新しい資本主義実現会議でも、社会課題解決を成長のエンジンにすることを謡っている。社会課題儲からないという風潮から、課題を解決し自社利益も最大化するスタートアップも出てきている。インパクトコンソーシアムでの取り組みによって、全体を変えていく流れになってきている。
04:32 海外も含めた、ソーシャルに対する変化(階氏)
-伊佐山元氏にシリコンバレーで会ったときにも、社会的課題を解決することの重要さを説いていた。地方にあるさまざまな課題を解決しつつ、地方を活性化することにも取り組んでいきたい。
06:31 さまざまな取り組みをしてきて、社会の変化を感じているのか(安部氏)
-若い世代から変わってきている。マルイのクレジットカードでも、ソーシャル性が高いものが使われている。金融セクターは年齢層が高いので、社会課題解決が経済の次のアジェンダであることがまだ理解できていない。
09:08 海外がトレンドが大きく変わったきっかけ(米良氏)
-欧州だとインパクト投資の一番の財源は、休眠預金。こういうのをベンチマークしながら、日本も色々起きてくると良いのではないか。
11:02 これまでの自身の取り組み(田口氏、米良氏)
-所属する会社の売上の1%を使って、新たに立ち上がる会社の創業資金にする。成功したら自分もお金を出す側に回ってチャレンジできる人を増やしていくというエコシステムを作っている。ボーダレスアカデミーをやっていて、社会起業家を増やす取り組みをしている。参考にしたのは吉本興業。
-ビジネスセクターと比べて、ソーシャルの領域はさまざまなステークホルダーがいる。課題解決では共存、ノウハウを共有していくことが大事。
18:48 地域でうまく行っている事例、社会的課題とは何か?(安部氏)
-社会課題は天から降ってくるものではなく、誰かが定義しなければならない。課題解決に対して事例が必要な時は、コミュニケーションが入ってくる。ヘラルボニーはIPを持っているのでスケーラブルだし、障がい者の人も豊かになるビジネスモデル。まず課題自体が社会に知られていくというプロセスが必要になってくる。
-日本では教育が格差を是正するのではなく、広げるものになっている。コミュニケーション力が大事な時代になっている時代において、体験を買える裕福な家庭の方が能力を伸ばしやすい。
23:21 社会起業家たちの課題は、どのような経緯で見つけたものなのか(田口氏)
-実体験の人が半分、外部からの影響の人が半分。ちょっとした関心を持った人が、お節介に動くことが出来ることが大事。当事者マジックに気を付けた方が良いこともある。実体験がなくても大丈夫。
26:03 人材づくりなどを含め、ここまでの感想(階氏)
-かつてはいくら儲けるかが主眼だったが、地方の金融機関の意識が変わりつつあるが、リスクを取れるようになる所には至っていない。ヘラルボニーは知的障害のある人を才能を発揮させ、収益を生んでいるというパラダイムを変えている。これからは市場化出来る分野を如何に後押しできるかも大事。
29:14 ソーシャルベンチャーが育っていく上のボトルネック(田口氏、米良氏)
-EXITがないソーシャルベンチャーを、誰がサポートできるかという問題もある。それは地方銀行なのかなと思っている。地銀からもサポートする技術を身につけようという流れもある。
-普通のベンチャーは伸びていく画が見える。ソーシャルビジネスは、ソリューション自体の検証が必要。
32:23 ソーシャルベンチャーの評価の難しさ(米良氏、安部氏)
-どうやって指標化していくかが課題。マイクロファイナンスは指標があったため、五常・アンド・カンパニーは、インパクトと利益の両方を共存している。なかなかステークホルダーに説明できていない状況。
-ソーシャルベンチャーの出口で高く売れるような設計を作らなければならない。高さの証明のために、インパクトの可視化が必要。
38:22 どういった所で、公金の投入があったら良いのか(田口氏)
-助成金という形が微妙。ふるさと納税をうまく使った方が良いと思う。福岡市で始めようとしている。名目上は助成金になるが、ふるさと納税を使ってお金を集めても良いですよ、という形になることで、企業を強くできる。
41:43 質疑応答①
-ビジネスで活躍してくれている人に、社会課題解決してもらった方がうまく行くのではないか。
-ソーシャルベンチャーでどのように思想性を消していけばいいか。
-ソーシャルベンチャーを大きく育てる必要があるのか?意味は何なのか?

ソーシャルベンチャーが成長するための鍵とボトルネックとは

タイトル
経営戦略としてのカーボンニュートラル/今や"地球沸騰化"時代…対策は?/自然資本を織り込んだ戦略とは【飯塚優子×出雲充×大我猛×福島正人×栗原美津枝】
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