どうなる?日本の安全保障・中国の海洋進出の現状と見通し/中国の「サラミ戦術」とは

リリース日:


G1サミット202 第6分科会P
「中国の海洋進出と日本周辺の安全保障環境のこれから」江藤名保子×奥島高弘×三宅伸吾×神保謙
(2024年2月24日開催/沖縄万国津梁館)

東アジアでの軍備拡張の動きを着々と進める中国。2024年1月に行われた台湾総統選挙では中国の圧力に対抗する姿勢を示す与党・民進党が政権を維持し、台湾海峡における緊張は高まりを見せる。米中関係の冷え込みも本格化し、さらに複雑さを増す日本周辺の安全保障環境のもと、我が国が取るべき戦略を考える。(肩書きは2024年2月24日登壇当時のもの)

江藤 名保子(学習院大学 法学部 政治学科 教授)
奥島 高弘(公益財団法人海上保安協会 理事長)
三宅 伸吾(参議院議員 防衛大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官)
神保 謙(慶應義塾大学 教授/キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員)

00:00 オープニング
01:24 日本を取り巻く安全保障環境、どのような厳しさに向き合っているのか(三宅氏)
-ロシアのウクライナ侵攻から2年経ち、中国と共同で爆撃機を日本海を運行し、北朝鮮は軍事偵察衛星を打ち上げ、中国は日本の何倍もの防衛費を使っている。南西の守りを固めるためにも、防衛力の抜本的強化が必要になる。どの程度の危機認識を持てるか、自分の家族は自分で守るという意識を国民が共有できるかが大事。
07:31 海上保安庁から見た、現状の安全保障(奥島氏)
-尖閣諸島の情勢はかなり厳しくなっている。令和4年、中国の船は157隻にまで増えている。対して海保は70隻程度。尖閣諸島を自衛隊ではなく海保が守っている理由は、自衛隊がいると中国は海軍が来て戦争に結びつく可能性が高くなる。戦争にを起こさない環境のために、海保が守っている。
14:24 中国側から見て、日本側をどのように見ているのか(江藤氏)
-先日の台湾でもあったように、中国はある口実ができた瞬間にステージを上げるタイミングがあるので、口実を与えない事と、中国が能力を上げてきていることを認識して対応するという、当たり前のような部分が非常に大事。また2020年から中国が運営する「釣魚島デジタル博物館」には、中国側の見解がまとまっている。当初は中国語だけだったが、現状は8か国語で発信している。これを見て他国の人がどう思うかが重要。
21:03 安保三文書で防衛費増額が決まったが、どれだけ安心して良いものなのか(三宅氏)
-43兆円の枠内で長期契約やまとめ買いなどの調達の効率化などで、防衛力の抜本的強化に取り組む。ポイントは、スタンドオフミサイルの能力整備、PAC3の弾薬の整備など。防衛省の設備の耐震構造なども必要。
27:34 法執行の強化は、どの程度高めていくのか?(奥島氏)
-警察機関は警察機関、自衛隊は自衛隊をシームレスについていく形がベスト。日本としては、軍事力や法執行など、あらゆるカードを持っておいた方が良いのではないか。
31:15 防衛力整備の方向性、海上安保の体制整備は、中国からはどのように見えているのか(江藤氏)
-中国側はスタートラインの取り方を、自分たちの都合のいいようにとるやり方をしている。中国側のロジックからすると、日米が軍事的威圧行為をしているのでそれに対応するために能力を拡大することを国内の人々に説明し、反米感情と相まった求心力になっている部分がある。
34:27 今後の展望(三宅氏、奥島氏、江藤氏)
-東南アジアの国々では、韓国から防衛装備を買っている。大きな政策判断は、日本・イギリス・イタリアで2035年導入に向けて共同開発している次期戦闘機を、第三国に輸出するかどうか。
-中国側に開戦の口実を与えないこと、国際連携をしっかりやっていくことが重要。
-日中の経済関係とのバランスを考える必要がある。国際機関のうまく活用することも大事。
45:03 質疑応答①
-中国の法律に対処する方法とは
-日本の自衛隊と他国の軍の最大の違いとは
-中国の漁船や人民解放軍などをどのように考えているのか
53:40 質疑応答②
-核を持っていないという非対称性について、どのように考えるのか
-DJIが持つドローンへの備えはどのように考えるべきか

どうなる?日本の安全保障・中国の海洋進出の現状と見通し/中国の「サラミ戦術」とは

タイトル
変わる働き方と学び方、東大の入試は変わるべきか?~藤井輝夫×宮田裕章×秋山咲恵
Copyright
リリース日

flashback