#143 衆院・福岡9区10区_vol.14_離党勧告、攻防戦。

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◯嘆願書 兼 弁明書

この度、北九州市議会議員 三原朝利氏に対し、自由民主党福岡県連により自ら離党を求めるという対応、さらに、この離党勧告に従わなかった場合に予想される除名処分について、自由民主党若松支部全役員の同意のもと、処分に断固反対するとともに、寛大かつ公正なるご対応を求めるべく、処分の撤回を嘆願すると共に我々の考えを下記の通り申し述べさせていただきます。
この様なことは不慣れなため乱文や非礼な表現等もあると思いますが、何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。

― 記 ―

1.昨年2月に実施された北九州市長選挙についての疑念について
三原市議並びに大石市議が武内候補を支持した事は、本当に反党行為なのでしょうか。
また、それゆえに処分に値するとの判断は本当に妥当なのでしょうか。処罰を振りかざす党の姿は、市民の目にどのように映っているのでしょうか。また、1年近く経った今、処分を持ち出すのはどういった理由からでしょうか。何か別の思惑があるのでしょうか。
仮に、三原市議へ処分を下すということは、武内市長を支援した事は悪であり、処分に値することであるということになります。それはつまり、武内氏を支持し投票した約126800人を否定することになるのではないでしょうか。
自民党支持層が誰に投票したのかのメディアによる出口調査では、武内氏46%、津森氏46%になっており、自民党支持層の半数近くが武内氏を支持していることが分かります。つまり、北九州市において、一般市民はもとより、自民党支持層の半数が新しい風を期待していることが分かります。党として、この流れを無視することは妥当なのでしょうか。何より、このような情勢を見ると、今回三原市議に課せられた処分の妥当性が見当たらないばかりか、むしろ敵を作ることになるのではないでしょうか。国政レベルで自民党の支持率低下による危機的状況の中で、党勢を益々弱体化させるのは火を見るよりも明らかです。
三原市議と大石仁人市議は、自民党市議団から離れ、無所属で立候補を表明していた武内氏の支援に回りましたが、そもそも武内氏は2019 年の福岡県知事選挙において、自民党本部が推薦を決めた候補です。敗れはしましたが、 自民党として一度は担いだ候補であり、武内氏が再起を期して北九州市長選に立候補をした以上、武内氏を引き続き支援することには一定の筋が通っています。実際、市議団の中では、市長選に際し特に除名などの処分で追い出した形をとっておらず、会派分割という形で円満に別々の候補を推すことになったと聞いています。もし、この行為が反党行為にあたるのであれば、まずもって市議団が団から除名という形をとるべきであったろうと思います。しかし、除名することなく、また党議拘束をかけていたわけでもありません。三原、大石市議はそれぞれの政治家の心情に基づいた行動であり、今頃になってその行動自体を処分するとあらば、公党としての市民の理解を得ていくのは困難と思います。

2.昨年7月に行われた党員選挙に関する不公正な対応についての疑念
昨年、松尾統章県議を座長とする第9区支部長をテーマとする第一回目の会合が千草ホテルにて開催されました。その席上、松尾統章県議から「9区として全員が一枚岩となって、来る衆議院議員選挙を勝ち抜こう」という主旨の提言があり、私を含めた若松支部の全員心から同意したことは記憶に新しいところです。
しかし、会合を重ねていくうち、次第に違和感を覚え始めました。決定的だったのが、昨年7月の党員選挙の有様でした。自由民主党の内部で、まさに民主主義が破壊されていると痛感したのでした。
それは、公正公平であるはずの党員選挙に際し、「事前の情報操作・印象操作」が罷り通っていることでした。
具体的に述べると、大家参議院議員の顔写真入ポスターが、第9区(若松区・戸畑区・八幡東区・八幡西区)の隅から隅まで、既に貼られていることです。これに対し、三原候補のポスターはほとんど見かけませんでした。
これは、それぞれの地区の市議及び県議のサポートなしには成せることではありません。本来公正な選挙であるにもかかわらず、一般に与える印象は、自民党の候補者は大家候補一人であり、自民党は大家候補を推薦しているのだという誤認を与えるものでした。これはまさに、「情報操作・印象操作」と言えるものであり、これのどこに民主的な選挙が存在するのかと疑念を覚えるものです。
さらに、両候補の立会演説で目にしたことですが、大家候補陣営は、麻生副総裁と大家候補の写真が上下に並んだ旗、岸田総理と大家候補の写真が上下に並んだ旗を多数持ち込んでいました。こうした手法は、自民党本部として、第9区支部長は大家候補で決定しているとの印象を自民党員を含む一般市民に与えてしまう印象操作であると、強い憤りを持ちました。
総じて党員選挙は極めてアンフェアな戦いでした。大家候補と三原候補1対1の党員選挙だと思っていたものが、実際の選挙の土俵に上がったのは、三原候補一人に対し、大家候補と9区に籍を置く県議・市議のほとんどの方と言う様相でした。これのどこが公正公平な選挙なのだと強い疑念を持ったものです。
党員選挙は公職選挙法の適用外ではありますが、健全な民主主義下の選挙として、この法律の精神に準じた、「さすが自民党!」と周囲を感心させる価値ある選挙を行ってほしかっただけに、残念でなりませんでした。

以上は党員選挙で目にした自民党の危機的な場面ですが、これらの一連の出来事で、民主主義を掲げる自民党に対して、危機感を持ってしまいました。民主主義の根幹を成すのは、選挙により民意を汲み取り、それを政治に生かすことです。したがってその選挙は公正・公平に基づいた聖域でなければなりません。ひとたびこの聖域が侵されるようなことがあれば、それはすなわち民主主義の崩壊といえます。権威主義国家、あるいは全体主義的国家のごとく、国民に対するプロパガンダ、情報操作、印象操作、言論の封じ込めにより、政権側に都合のよい偽りの民意を生み出して選挙に勝利する。このようなことが決して在ってはならない。
今、自民党は「政治とカネ」の問題で結党以来といってもいいほどの危機にあります。
物価高や災害の多発に苦しむ国民の目にどのように映っているのか、いま一度、党組織として考えるべきだと思います。三原市議の党員投票での敗因の一つに、先程も述べましたポスター貼りなどに象徴されるような資金力のなさがあったのは確かだろうと思います。しかし、衆院選挙は公職選挙法で各候補者が同じ条件で戦うことが求められています。三原市議の資金力のなさは、いまの国政の混乱に照らし合わせて考えると、「カネに汚れていない」ことの証しでもあります。いまの自民党の刷新に求められている若さと清新さを兼ね備えている三原市議の将来の芽を摘むことは、いまの自民党にとって果たして良いことなのでしょうか?
今回の一連の動きに強い危機感を感じるとともに、実施された党員選挙には、人を罰するほどの価値はなくなっているものと強く思う次第です。

3.三原市議の自民党における立ち位置について
ご存知のことかもしれませんが、三原市議は党勢拡大のため、自民党員の獲得に励んでおり、間もなく400人を突破する勢いです。われわれ若松支部も、三原市議を長年支持しています。また、令和3年の北九州市議会議員選挙では、約4600人の若松区民の自民党としての負託を受け、市議になっている優れた人物です。この三原議員を処分するというのは、我々4600人を否定することとなり、若松支部を否定することになることをお気づきでしょうか。
そもそも、三原議員は自他共に認める立派な自民党員です。そしてその人脈・信頼関係は、武内北九州市長にとどまらず、高島福岡市長や前田下関市長など、福岡 9 区をとりまく地域の首長にも広がっております。この人脈を活かして地域の声を届けることこそが、福岡 9 区に暮らす党員として望むところであり、三原議員の政治家としての高い資質を伺い知ることができます。
今、日本全国で若い首長や議員が活躍しています。彼らの潜在的な能力を鍛え、育てていくことこそが、我々世代の責務であり、使命であると思うのですがいかがでしょうか。
今後、嫌でも若い世代に政治を任せ、委ねていかねばならないこの時期、今後の自民党を支える重要な一人である三原議員という若手のホープを処分することは、断じて看過できないことであるといえます。

4.民主主義を鍛えていくのが自民党であるという観点から
自由民主党は、民主主義を擁護し、これを支える。言論・政治・信仰等の自由を保障する。これについて、自民党を支持する方々の100%は異論がないことだと思います。個人的には、多様性の尊重、弱者への配慮等、多角的な視野を持つとともに、どこまでも懐深く、少数派の意見も大切にできる、壮大な優しさにあふれた党へと、どんどん成長し続けていってほしいと願っています。
そうした意味では、どこかの権威主義的国家のように、異なる意見に対して厳罰や処分で対応するのではなく、自由闊達な意見を真剣にぶつけ合い、様々な事象も練り上げ、鍛え上げて、より完成度の高い民主主義へと進化させていくのが自民党の責務であると思います。そのたゆまぬ努力の結果が自民党の支持率を大幅にアップさせる原動力になるものと確信しています。
したがって、今回の三原議員に対する処分は、そうした自民党の今後の行く末に、取り返しのつかない暗い影を落とす事案であるといえないでしょうか。

#143 衆院・福岡9区10区_vol.14_離党勧告、攻防戦。

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