日本の個人向け国債と長期の米国債、投資するならどちら?

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日経電子版「マネーのまなび」⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠のPodcastです。アメリカ出身タレントのREINAさんがリスナーと一緒にお金のイロハを学んでいきます。解説は日経マネー編集委員の大口克人です。
今回のテーマは「債券投資」です。「金利ある世界」の復活で債券投資にも現実味が出てきましたが、その場合は日本の個人向け国債と長期の米国債ではどちらがいいでしょうか。
個人向け国債のうち「変動10年」は、実は機関投資家までが「買えるなら自分たちも買いたい」と漏らすほど買い手に有利な設計になっています。国が元本と利子の支払いを保証する安全性に加え、債券では珍しい変動金利でこれからの金利上昇に対応できます。また10年物の長期債なのに必ずしも償還まで持たなくてもよく、直近2回分の利子を諦めれば1年後には換金できるなど、金融常識を超えたようなところがあるのです。6月発行分の表面利率は0.69%という水準ですが、金融機関の販売キャンペーン(現金プレゼント)分を計算に入れればもう少し高くなります。
一方の米国債には通常の利付債とストリップス債があり、利回りはどちらも4〜4.88%(6月24日時点)とかなり高い水準です。こちらもドルベースでの元利保証がありますが、日本人が円を使って買う以上は為替リスクがあることに注意が必要です。高い金利を受け取っても、償還時に円高が進んでいたら元本割れもあり得ますし、タイミング的にも為替がもう少し落ち着いてから始めた方が安全だと言えます。
ただし長期債の場合は金利の積み上げ効果が大きく、4%の金利を20年受け取り続ければそれだけで元本の8割に相当しますので、かなりの円高に耐えられるようになります。番組では利付債とストリップス債で残存期間が1年、10年、20年、30年に近いものを選び、証券会社のシミュレーションツールを使って元本割れが始まる損益分岐レートを調べました。その結果、残存期間が約1年だと1ドル=152〜153円程度で元本割れしますが、長期債になると驚くような水準までの円高に耐えられることが分かりました。
番組後半のコーナー「Playback〜思い出のあの年」は長期債の話にからめて、26年後の未来、2050年を取り上げました。大口が子供の頃、学年誌に出ていた未来予想の「ロボットの友達」や「エアカーで通勤」も、ドラえもんの「ほんやくコンニャク」も、ふと気付けば実現しかけています。内閣府のサイトには「ムーンショット」という画期的な計画も載っています。だとすれば今我々を悩ませている様々な問題も、この先の技術の進歩で解決されるかもしれません。人類の英知を信じ、人生100年時代なので26年後も元気で働いていよう(その時大口は86歳……)、というところでお開きになりました。
なお今回の債券投資について、さらに詳しく知りたい方はこちらの日経電子版の関連記事もお読みください。
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