013.外国人留学生を採用、雇用するときの注意点は?

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Q:私の店では外国人留学生を何人か雇用しています。とてもよく働いてくれるし「稼ぎたい」と言われるので、長時間のシフトに入ってもらうこともあります。ですが最近、ウチがこの点で違法行為をしている可能性があると聞きました。それってどう違法になるのでしょうか。

A:その留学生は働く許可を持った方でしょうか?また、許可を得ていたとしても、働かせられる時間には制限があります。それを超えて働かせた場合、罰則もありますので注意が必要です。

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<解説>

外国人労働者は年々増えています。厚生労働省の平成27年10月末での「外国人雇用状況の届出状況」を見ると、外国人労働者数は90万人を突破し、過去最高を更新し続けています。また、外国人を雇用している事業所も15万箇所を超え、やはり届出義務化以降最高の結果となっています。2020年にオリンピックが開催される影響で、今後も外国人労働者の増加が見込まれていますが、外国人留学生をスタッフとして雇う場合に気をつけなければならない点はどのようなことかを見ていきます。

【外国人労働者の採用と雇用上の留意点】
①在留資格の種類
日本に滞在する外国人は、日本での労働許可があって初めて働くことが出来ます。在留資格の種類によって、労働できる条件などが変わるのですが、コンビニエンスストアに関わるものとしては「留学」が多いでしょう。ただ、「留学」は本来働けない在留資格であるため、管轄の入国管理局で「資格外活動許可」を受ける必要があります。外国人を採用するときには在留カードの在留資格と、パスポートの資格外活動許可証を必ず確認することが大事です。資格外活動許可を受けていない外国人を雇用し働かせた場合、本人はもちろん、店舗も「不法就労助長罪」として罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象となりますので注意しましょう。

②勤務時間
「留学」の在留資格で、資格外活動許可を受けている場合、コンビニエンスストアのスタッフとして働くことは可能です。しかし、原則28時間以内と勤務時間に制限があるため、シフト作成時に28時間を超えないように注意する必要があります。この時間を超えて働かせた場合についても、①と同じ罰則が店舗側に科せられてしまいます。
ただし、留学先の教育機関(日本語学校、専門学校など)が夏休みなど長期休暇の期間中は、1日8時間まで働かせることが出来るようになっています。

③在留期間や資格外活動許可証の更新時期に注意
在留カードの在留期間内であること、また、資格外活動許可の「許可制限」欄に記載された日付が期限内であることを確認しましょう。一度資格外活動許可を取っても、在留期間の期限が切れて更新を行った場合には、再度資格外活動許可を取る必要があるため注意が必要です。いつの間にか期限が切れ、気づいた時には強制国外退去になっていた…ということがないように、該当のスタッフの在留期間などをチェックし、こまめに働きかけることも管理の一環です。

④採用・退職時の届出
雇用対策法に基づき、外国人スタッフを雇用した場合や、退職する場合には、氏名や在留資格などについて、公共職業安定所(ハローワーク)に届け出ることが義務付けられています。雇用保険の対象になるかならないかによって届出時の書類や期限が異なるため、詳しくは厚生労働省の発行する、外国人雇用のルールについてのパンフレットなどを確認して、確実な届出を行うことが重要です。これを怠ると、30万円以下の罰金が科せられます。

【戦力化のポイント〜日頃からこまめにコミュニケーションを〜】
以上、ここまで外国人スタッフの雇用上の留意点を見て来ました。採用時の届出や労働時間の管理だけきっちり行えば終わりかというと、決してそうではありません。むしろ、彼らを採用してからいかに戦力化していくかが、事業の業績を左右すると言っても過言ではないでしょう。
彼らのほとんどは、慣れない日本語の壁にぶつかったり、文化の違いによるカルチャーショックを受けたりします。しかし、彼らはそれを学び、習得するために日本に来ているのです。
その際、いつもよりゆっくり話す、わかりやすい言葉を使う、粘り強く伝える、という配慮は必要ですが、「外国人だから」とあまり特別扱いせず、業務を教えていくことが大事です。うまく出来たところはしっかりほめ、理解をしようとしない場合は、注意をすることもためらってはいけません。
外国人を積極活用している店舗の多くは、彼らを短期間で戦力化すべく、上記の前向きなコミュニケーションに加え、「期待しているよ」「一緒に学ぼう」という姿勢を経営者だけでなく、全員が意識して実行しています。文化が違うから…と敬遠せず、ぜひこまめにコミュニケーションを取るようにしたいですね。

 

【図表】在留カードの見方と資格外活動許可の確認



引用:法務省 入国管理局「不法就労防止にご協力ください」
http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/pdf/fuhoushurou.pdf

 

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