#325 アイドルは何を売っているのか?

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「オタクはアイドルの時間を買っている」ということは、アイドルは時間を売ってるということになる。つまりそれは自分の時間とスキルを売ってお金に変えてるサラリーマン労働者と変わらないと自身でおっしゃってる。でも自分の時間を数百人程度には売れても、数千、数万人には売れないですよね。時間は有限だから。

本来アイドル、というかステージに立つ人は、時間を売っていない。ステージでの表現や、それに付随する音源・映像・グッズなどを売っている。なぜアイドルやアーティストのステージ上での表現が売り物になったり、ステージ下での発言に注目が集まるかというと、希少性が高い存在だから。"こういう表現はこの人にしかできない"そう思われるものにお金を払う価値があると思われてるからです。

表現は媒体を通して伝播するので、数万人、下手したら数億人に届きます。しかも素晴らしい表現をする人は、地理的な制約だけではなく、時間的な制約も飛び越えていきます。マイケルジャクソンやビートルズがいまだに愛されるのはそういうことです。彼らもまたアイドルです。

つまり、この方は時間を売ってるアイドル、つまりサービス業としてアイドルをやってるのであって、なにかを表現したい、感動させたいなどのエンターテイメントをやるためにアイドルをやっているわけではないということになります。時間を切り売りしてるということは、ウーバー配達員やアルバイトとなんら変わりがありません。

もちろんそういう職業が何かに対して劣っているというわけではなく、そういう稼ぎ方のアイドルがいてもいいと思います。実際数百人のファンがいれば生活することも可能でしょう。しかし、そういうアイドルを応援したい人がたくさんいるかと言われれば疑問を呈せざるを得ません。

時間を売ってるアイドルは必然的に売れるキャパシティに限界があり、売れないというより、売れる思考のアイドルになれてないのです。

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