自分だけじゃないノベーション(1075回)
『変身』を読んだからといって、救われるというものじゃない。カフカの文学って、励まされる、心が元気になるようなものではありませんから。でも、『変身』を読むことで、自分の苦しみを外側から見ることができる一助にはなるんです。
自分だけじゃない、ということを知るのは本当に重要です。私自身の経験からいっても、苦しさを外側から見ることができると、自分の中だけで堂々巡りして煮詰まらなくなるんですよね。
ここから私は思いました
1、自分の苦しみを外から見る
2、抜け出す力になる
3、社会を変える力になる
自分の苦しみを外から見る、というのは以前お話しした、"ローティの感情教育"なのかもしれないと思いました
「変身」という小説にすることによって、「虫ケラ」同然にになっている人たちに、外から見る目を持たせてくれる
そうすることによって、自分自身を取り戻して、そこから抜け出す力を自らが生み出すことができる、そんなソリューションとなってるのかもしれないと思いました
小説としての感情教育というソリューションの他に同じような効果があると思うのは、よくスタートアップや大企業の新規担当を集めたコワーキングスペースが増えてきましたが
これはまさに、同じ悩みの人たちを集めることによって、自分1人じゃないんだ悩んでいるのは?と、客観視して自分を取り戻す効果があるのかもしれないと思いました
大変な思いをしている人や、挑戦をしている人たちには、少なからずこういうニーズは間違いなくあるんだろうなと思いますし
自分だけじゃないんだと思わせる、他の手段も、例えばネットを使ったコミュニティなども、ある気がします
小説やコワーキングな話やコミュニティでは、解決策は出なくてもよくて、自分と同じ人が少なくともいて、みんな同じ苦労をしてるんだ
とわかってもらうだけで、それ自体が救いとなるソリューションなんだなと、改めて思いました
もしかしたら、
自分だけじゃないノベーションは
他にもやり方があるのかもしれないなと、そんなことを思いました
参考:本:名著の話 僕とカフカのひきこもり 伊集院 光 2022年2月16日 株式会社KADOKAWA
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/k9ZqgHWMtSk
自分だけじゃないノベーション(1075回)