無形文化財ノベーション(1066回)
パリのトップソムリエなどに絶賛されたというスパークリング日本酒「SHIROKIMONO(シロキモノ)」 を生産されている、3度のバイアウトを実施しているシリアルアントレプレナーの希JAPAN白井良代表の言葉に震えました
3つのイノーベータフレームで整理すると
1、パッション
"日本人として生まれた以上は、日本の文化や伝統を世界に広めていくべきだと思っています。なかでも日本酒醸造技術は日本特有の発酵文化であり、生物多様性とも関連する、世界に誇れるバイオテクノロジーです。この技術を世界に広めていくことに、大きな可能性を感じました"
2、仲間
"ファブレス方式(醸造所なき酒造)"を支える杜氏、蔵人
"製造工程のデジタル化"や"デジタルタン(化学舌)"を支える産総研
3、大義
"世界をHAKKOさせる"
"希JAPANの独自のバイオテクノロジーで、完全循環型を実現した村をつくり、2050年までにはそのパッケージを地球外にもち出せるかたちに進化させたいと本気で考えています"
ここから私はイノベーティブポイントを思いました
1、伝統文化
→日本古来の発酵文化という無形文化財
2、最新のビジネスモデル
→ファブレス生産方式
3、最新のテクノロジー
→バイオテクノロジー、デジタルタン
以前、お雑煮ノベーションの回に、和食がユネスコの無形文化財に選ばれた理由として、日本全国に渡る伝統文化とバラエティのお話をさせていただきましたが
お酒というのは、日本の無形文化財の最たるものだなと思いました
そして、そこにある価値の根本的なものとして、発酵があると見抜き、その価値を極め、さらにパッケージ化し、そして地球外にも使えるようにしていくという大義に、ひっくり返りました
その地域にある無形文化財という最大の価値を、さらなる新しい価値に昇華させていくということに、とてつもないイノベーションの可能性を感じました
さらにそこに、最新のビジネスモデルとしての、ファブレスを掛け合わせるというのも、驚きの発想でした
生き物であるお酒、発酵、というものを、設備を持たずにつくるという発想は、なかなか持てないなと
昨日の話の、解決できないことはない、という発想がここにあるんだなと。確かにもしこれができれば、とてつもない効率化につながるし、何よりもものすごいレバレッジを産むことができる
だとしたら、どうやって実現するんだという時に、最新のテクノロジーでできるじゃないかという発想がまた素晴らしいと思いました
ここで、最高の研究機関である産総研と組んで、環境を一定化させるバイオテクノロジーと、最高の味を生み出すデジタルタンをやるという、ここにも発想の飛躍と実現力が隠されていると思いました
無形文化財×最新のビジネスモデル×最新のテクノロジー
それは、無形文化財ノベーション
ここから、世界を変える、日本からの、新しいイノベーションが生まれる
めちゃくちゃワクワクしてしまい、心から応援したくなりました
そんな話をしています
参考: Forbes Brand Voice 2023.11.27 日本酒づくりをデジタル化して世界へ届ける 希代の起業家が発酵文化で生み出す新たな価値 https://forbesjapan.com/articles/detail/67548
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/zGRUIj_MQ54
無形文化財ノベーション(1066回)