EP#95 きょうは4月1日。新年度の始まりです。ところで、月の始まり「1日」を「ついたち」というのは、なぜなんでしょう。4月のアクセントについてもお話ししています

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きょうは4月1日、エイプリルフールです。4月1日の午前中は、軽いいたずらでうそをついたり、人をかついだりしてもとがめられないという風習。18世紀頃から西洋に起こって、大正頃から日本にも伝わったと言われます。きょうは、エイプリルフールの話ではなく、1日を「ついたち」と読むことについてお話ししたいと思います。

結論から言うと「ついたち」は「月立」が変化したことばだと言われています。「立つ」には「始まる」「現れる」という意味があります。月の満ち欠けに合わせて一月としていました。月が最初に現れる日を「月立」と言っていたのです。

新月が最初なので月は見えません。それが少しずつ姿を現して30日目が「つごもり」で、「月隠り(つきごもる)」つまり、月の光が全く見えなくなるころ。陰暦で月のおわりごろ。月末。また、月の末日。転じて、一般に、月の下旬や月の最終日。のことで、これを「みそか」とも言ったんです。「みそか」は「三十日」とも書きます。「三十路」とか和歌のことを「三十一文字」なんて言うでしょ。「おおつごもり」というのが、1年の最後の日、つまり「大晦日(みそか)」のことです。

「つきたち」が「ついたち」になったのは、穏便という発音の変化です。「文を書いて」という言い方も元は「書きて」と言っていました。これが「イ音便」と言われるものです。「さいたま」も「さきたま」のイ音便です。「埼玉」の「埼」は単独だと「さき」と読むでしょ。

月の満ち欠けによる暦を太陰暦と言います。太陰は月のことです。ところが、月の満ち欠けだけに頼るときっちり30日周期とはいかないのでだんだんずれてくるんですね。そこで太陽の動きに合わせて手直ししたのが太陰太陽暦です。

4月の発音じは通常、平板なのですが、最近は最初にアクセントがある頭高になってきているのだとか。近年は平板で尻上がりな発音が多い中、最初にアクセントを持ってくるのは、少し珍しい現象かもしれません。

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