EP#70 姑息って、なんで「姑の息」って書くの? ことばの変遷を考えました

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「姑息な手段」と言えば「ずる賢い手段」という意味だと思う人がほとんどだと思います。
また、それがなぜ「姑の息」と関係するのでしょうか。こんなことをわざわざ調べることもありません。まあ、なんとなくそういうものだ、と思って使っていることがほとんどだと思います。

実は、姑息は「姑の息」とはまったく関係ありません。「姑」は副詞の用法で「しばらく」という意味があります。「息」は「休息」などのことばでもわかるように「休む」という意味です。
つまり、姑息は「しばらく休む」→「一時的にしのぐ」という意味で元々使われていたのです。ところが、「一時的にしのぐ」のは根本解決にならないので、「ずるい」という意味になったのです。漢字は、僕たちが知っている範囲より、遙かに広い意味を持っているのです。

「やおら」も「急いで」という意味で使われることが多くなりました。「やおら」を漢字で書くと「徐ら」です。徐行の「徐」なので「ゆっくり」という意味であることがわかると思います。
これが時代と共に、まったく反対の意味に変化するのですから、ことばとは、面白いですね。
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