【A162】物語について

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【A162】物語について 時間:127分 音質:3 講演日時:1994年6月12日 主催:リブロ 西武池袋本店 場所:西武百貨店 池袋本店 収載書誌:未発表 音源について 雑誌「試行」が書店リブロで 取り扱われることになり、 書店の企画で行われた講演。 音源は主催者提供。 テープの反転によって欠けている部分を 別の音源で補っているため、 一部音質が変わる個所がある。 講演より 物語とは何かということを考えると、 たとえば『今昔物語』では、いちばんはじめに 「いまは昔」といいます。 そして、終わりに「何々であるとかや」というのが くっつきます。 これが、文学作品にあらわれた物語の形態認識のひとつで、 いちばん重要なものです。 日本の明治以降の近代小説では、たとえば漱石が、 もっとも遠くまで形態認識を展開させた人です。 そこでは、独立した自我というものの意識があって、 他者と考えられた自分以外のぜんぶのものとの葛藤が 物語になっていきます。 漱石は、「人間の存在感とはかかるものか」という 実存的な領域まで、 とことん形態認識をやったことになります。 僕が欲張りをいえば、現在では、 近代的自我の確立とか、 その高度化は現在では自慢にも課題にもならないけど、 依然としてそれが課題になってしまっていたり、 安堵感になっているというのが、 いまの物語ではないでしょうか。 この講演のテキストを読む

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