【A008】調和への告発
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【A008】調和への告発 時間:123分 音質:3 ジャンル:情況 講演日時:1967年11月1日 主催:明治大学 場所:明治大学 収載書誌:徳間書店『情況への発言』(1968年) 音源について 明治大学駿台祭での講演。 原題は「調和への破壊」。 客席から録音されたものだが 比較的クリアに収録されている。 質疑応答は途中で切れている。 講演より 現在、ベトナムには戦争があり、日本には平和がある、 そういう区別の仕方があります。 しかし、ベトナムのなかには戦争もありますけれど、 同時に平和もあるのです。 人間は戦争のさなかでも極めて平和に 恋人とデートすることもできますし、 また一家団欒の食事をすることもできる、 そういうようにしか戦争というものは存在していません。 現実というものはさまざまな次元の場面を許すのです。 逆に、「日本は平和だ」といっても、 ある視点でもって眺めれば、 ちっとも平和ではないわけです。 そこには声をあげずに倒れていく人間もいますし、また、 何の声も発せずに老いさらばえて死んでいく人間もいます。 一見すると無事平穏のごとく見える 日本の国家権力のもとにおける現実のなかに、 さまざまな鋭い裂け目があり、 それをどういうふうにすくい取っていくか、 思想の問題として繰り込んでいくかということのなかに、 情況があると考えております。
【A008】調和への告発