長い時間の価値ノベーション(1186回)

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佐賀藩士の山本常朝の口述を、十九歳年下の田代陣基が、筆録、編集し、最も有名な武士道書と言われる『葉隠』に、忘れていた価値を思い出させて頂きました

曰く
"茶の湯に古い道具を使うのは汚らしいと申す者がいる。また、古い道具は、奥ゆかしいから使うのだ、などと思う者もいる。

これらは、みな間違っている。古い道具はかつては低い身分の者も使ったものだが、よくよくすぐれた徳がある。だから、身分の高い人の手にも触れられるに至ったのである。徳を貴んで使うのである。奉公人もまた同じである。

低い身分から高い位に上った者は、すぐれた徳があるからである。それなのに、「氏素性もわからない者と同役にはなれない」と思うのは、もってのほかの心得違いである。"

ここから私は3つの価値を思いました
1、古典
生き残る価値
2、大器晩成
時間をかける価値
3、叩き上げ
現場を知る価値

まさに古典がある価値を言っていただいてる気がしました。古き考え方が遺されている古典に触れると、今も昔も悩みは同じなのだということや、現代まで遺っている理由が必ずそこかしこにあるのだと思います

セレンディピティは、人、本、旅という、出口さんの言葉にもある通り、本や茶器の古典は、過去の人と出会えるというタイムマシンのような素敵な体験なのかと思います

また、じっくり時間をかけて創り上げるそんな価値も感じました。ともすればタイパの時代だからこそ、人としても、目立たなくとも、自分の信じることを一生かけてやっていく価値があるのかと思いました

それがある時には大器晩成などと表に出ることがあるかもしれませんが、表にでなくとも、自分として満足できるとことんまでつきつめる人生も素敵だなと思いました

そして、叩き上げという価値もそこにはあるなと思います。それは、現場を知っているという価値です。特にこれからの変化の激しい時代においては、今そこの現場で何が起こっているかを把握するとともに、自らが現場で感じることができることがとても大切な気がしました。

生まれや素性、肩書きや役職などで判断される時代は、ずいぶん少なくなってきてると思いますが、リーンに早く動くという意味において、叩き上げの価値という現場感の価値がとても大切になってくる、そんなことを思いました。

一言で言うと、長い時間をかけている価値というのは、今も昔も変わらぬ価値を生むということ

会社も個人も短期的な成果も大事ですが、長く時間をかける価値も、とても大切と教えてくれた気がしました

長い時間の価値ノベーション

そんな話をしています^ ^

参考:本: 葉隠 処世の道 発行日 2019年12月15日  初版 第1刷発行 編訳者 前田信弘 発行所 日本能率協会マネジメントセンター  電子版製本 株式会社リ・ポジション

長い時間の価値ノベーション(1186回)

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