「自己言及的存在論講義」第三回 「我欲す」とマルクス

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今回は、大学卒業後、労働運動系の定期刊行物の編集をしながら、全共闘運動を取材しているうちに、その運動のうちに自己言及的なものを見いだし、そこから自己言及的な学問といったものを着想したことがひとつのテーマになっています。そうしたことを説明するために、竹内洋『丸山眞男の時代』を使わせてもらいました。このときの着想が自己言及的存在論の萌芽となりました。
もうひとつは、当時読んでいたマルクス『資本論』の価値形態論への批判です。商品と貨か幣の関係の問題は、形式的にいうと、対称的かつ非対称的な関係はいかにして可能か、という問題ですが、そのことが価値形態論の論理に即して示されます。また、その問題へのひとつの解決策として、貨幣を自己言及的存在者として提示する試みも提示しています。

塚原誠司 1944年東京生まれ。1967年、早稲田大学文学部西洋哲学科卒業。労働運動系広報誌の編集者、塾講師、警備員などをやりながら哲学を探求してきた。

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