保護猫ハチ、ありがとう!またね

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1月に保護した猫が、保護施設にお引越することになりました。いったん、わたしの手から離れます。
この4ヶ月、いろいろなことがありました。
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自宅の敷地で、道ばたで、不意に出会ってしまった猫を保護するか迷ってしまったときのために体験談をお話しします。目の前の小さな命のため、勇気を持って動いていただける方がひとりでも増えてくれますように。
1月26日、ガリガリにやせて口からよだれと血を流している猫をどうしても見過ごすことができず、保護しました。元気なら「地域猫」の可能性もあるので勝手に保護しない方が良いのですが、見るからに放置されていたので。
保護猫ちゃん、見事なハチワレ猫なので、「ハチ」と呼ぶことにしました。
翌日から病院通いがはじまりました。極度の脱水状態だったので、1日1度の点滴(1回3,000円)に8日連続で通いました。ノミ・マダニの駆除薬を処方してもらったり、血液検査をおこなったり、体重を増やすためにハイカロリーの缶詰を与えたり、ケージも買いました。ここまでで数万円の出費です。
気づけばハチを保護して10日。先住猫たちのストレスが限界に近づいてきたのと、わたし自身もハチと先住猫たちを隔離しながらのお世話に参ってしまってパニックに。母の厚意に甘えて、いったん母のマンションにハチを預けました。
前肢にケガしていることが分かったので、緊急状態を脱した後から治療をはじめました。2月は週一で病院に通いました。
3月に入り、口の状態がいっこうに良くならないのを見かねて病院を変更。猫の口内炎を治すには、抜歯がもっとも効果があるとされています。ただ、これまでの病院では「ハチの健康状態では歯科処置は難しい」と言われていました。新しい病院は規模が大きく、実績が豊富なこともあって「大丈夫でしょう」と手術にふみきってくれました。
その後も週一で通院を続けつつ、3月27日に歯科処置手術。全身麻酔で処置してもらい、口内炎の原因となっている歯を抜きました。先生からは「途中で血圧が下がってしまったので完全ではありませんが、おそらくもう大丈夫でしょう」と言ってもらって一安心。
ところが、その後も出血もよだれも止まりません。そこで、再度手術にチャレンジすることに。
腎臓の数値が良くないハチにとって、全身麻酔は負担です。でも、やはりこのままにしておくとハチのQOLを下げることになるので頑張ってもらうことにしました。4月27日、前回の手術からちょうど1ヶ月後に再手術。
今度こそ原因を全て取り除いたはずですが、よだれは相変わらずでした。カリカリのフードを食べると血も出ます。こうなると先生もお手上げだそうで、サプリを試したりしつつ今に至ります。手術代は、約60,000円×2で120,000円ほど。
2度目の手術で明らかに出血量は減ったし、口の痛みが減ったおかげでエサの食べ方がキレイになったのですが、気が立っていることが多くなりました。よく面倒を見てくれていた母に爪を立たり、大声で鳴くなど情緒不安定になったため、とうとう母がギブアップ。5月27日、わたしの家に引き取りました。
さあ、いよいよハチの先行きを決めなくてはいけません。まずはハチを保護した住宅地の近隣60軒にビラを配りました。すると、ハチにエサをあげていた小学生の女の子2人が連絡をくれました。可愛がっていた野良猫が急に消えてしまったので心配していたそうです。
早速2人をうちに招待して、ハチ(彼女たちは「ものちゃん」と呼んでいました)と再会し、ハチについて知っていることを教えてもらいました。分かったのは、・少なくとも5年前から路上にいた・世話していた人が少し前に亡くなり、寝床の管理やエサやりが途絶えてしまった・今後、責任持って世話してくれそうな大人はいないということ。
となると、路上に戻すわけにはいきません。ハチは老猫でエイズキャリアなので、飼い主さんを見つけるのはほぼ絶望的です。我が家で飼えればいいのですが、病気の感染を防ぐため先住猫とは隔離飼育する必要があります。さらに先住猫の1匹は神経質なので、家を増築でもしないかぎりハチにも先住猫にも大きなストレスを与えることになりそうです。
そこで、ダメもとで近所にある保護猫カフェに相談したところ、終生飼育を前提に引き取ってもらえることになりました。ただし、高額な寄付(という名目の費用負担)との引換えです。
別の施設も検討しましたが、どこも一長一短でした。最初に相談した保護猫カフェが提示した金額も決して法外なものではなく、「たしかにそのくらいかかるよなあ」と納得できる数字でした。その施設なら今後も会いにいけるし、限られた条件の中ではベストな選択肢だと思ったので思い切って決断しました。
あした、ハチは保護猫カフェにお引越しします。これまで路上で気楽に暮らしてきたハチにとって、猫がたくさんいる閉鎖された場所で生活するのは試練だと思います。ただ、順応性の高い子なのできっと大丈夫。と、信じるしかない。
余生がどのくらいあるのか分かりませんが、これまで苦労したぶん穏やかな時間が少しでも多く訪れるよう、ハチの幸せを祈るだけです。ハチ、きみと出会えてよかった。ありがとうね。

保護猫ハチ、ありがとう!またね

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保護猫ハチ、ありがとう!またね
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